先週のベストヒットU.S.A.のゲストだった、ラウル・ミドンに圧倒されて、昨日、早速CDを購入した。盲目であるにも関わらず、その卓越したギターテクニックはもとより、一聴しただけでCDを買いに行かなきゃ、と思わせてくれるような音楽にはなかなか出会えませんので、私にとっては久々のニューアーチスト発見でした。
レイ・チャールズやスティーヴィー・ワンダーをはじめとして、神様は不幸なハンデを与えてしまった代償なのか、努力だけでは決して身につくことはないだけの素晴らしい才能を与えたりする。ラウル・ミドンのプレーや才能についてはスティーヴィーやジェフ・ベックにも既に認められ、満を持してのデビューのようだ。スティーヴィーはこのアルバムの中でも素晴らしいハーモニカソロを演奏してくれている。
私もギター・プレーヤーの一人であるから、彼のプレーのテクニックはもとより、その独創性に惹かれた。
日本では、アコースティック・ギターソロ・ブームの流れで、押尾コータローのようにアコースティック・ギター1本で表現するアーチストが最近登場してきているが、彼のスタイルは’80年代にウィンダム・ヒル・レーベルから登場したマイケル・ヘッジスの流れを汲むものであるから、テクニックはもちろんあるが、インストゥルメンタルとして演奏する分には驚くほどのことではなかった。
ラウルの場合は、自分の歌をバックアップするための伴奏楽器としてのギタープレイ、歌いながらあの演奏をするのは非常に高度なテクニックを要する。
彼のギターの出発点がフラメンコにあったことから、あのようなユニークなプレースタイルになったのだろう。
ギターの話が中心となったが、もちろん、彼の歌、ヴォイス・トランペットのソウルな感じが非常にクールでR&Bに限らず、スムース・ジャズとしても人気が出てきそうで、これからの活躍も注目です。
ラウル・ミドン ステイト・オブ・マインド アリフ・マーディン プロデュース 驚異のギタリスト
ラウル・ミドン ステイト・オブ・マインドについてです