シン・仮面ライダー

期待が大きかったせいか、70点かなぁ。

私はリアルタイム世代で、今や数十人いるライダーの中でも、旧1号が一番好きである。

THE FIRSTは、我々世代にとって旧1号のリブートとして、様々なオマージュを入れ
つつもビジュアルも現代的にうまくアップデートされた作品であったが、
そもそも、「仮面ライダー」という名称が現代の感覚ではダサすぎてしまうし、
もともとショッカーにバッタをモチーフにした改造から「ホッパー」という名前を
捨てて「仮面ライダー」と、本人もショッカーも呼ぶのはあまりにも不自然になるだけに
「仮面ライダー」という名前を劇中で使わないことに私は潔い決断であると高い評価を
していた。

さて、「シン・仮面ライダー」の率直な感想は、これは仮面ライダーというより、
緑川ルリ子を主役にした作品であり、ルリ子を演じた浜辺美波や、ハチオーグ(鉢女)を
演じた西野七瀬の演技は非常によかったと思う。
オリジナル仮面ライダー旧1号のビジュアルをほぼ踏襲しながらも、現代の作品として
コートを着させたり、旧1号時代のオートバイでの変身を現在の技術で蘇らせた点は
非常によかった。
一方で、CGのクオリティがイマイチで、ショッカーとのオートバイでのチェイスの
部分や空中に飛んだり跳ねたりするところは冷めてしまった。
THE FIRSTでのライディングシーンは見る側にスリルを感じさせただけにここは非常に
残念だ。

一文字隼人をライダーを倒す刺客として登場させるのはいいのだが、セリフが軽すぎて
いただけない。これは柄本佑のせいではなく、脚本・演出側の責任だ。

そして、終盤、「立花」と「滝」の名前が登場するが、「立花」の名前をあのような形で
出してほしくなかった。THE FIRSTは、”オリジナルでの”おやっさん”と異なる
ダンディなメカニシャンとして登場させたが、元々の「立花レーシング」をイメージ
させる演出だったので我々の世代はすんなり受け入れられるが、今回のああいう立場の
使い方は違和感がある。
オリジナルの「滝」はFBI出自の人間なので、今回の立場でもそんなに遠くはないので
それだけに「立花」の役名の使い方は残念。

最後に新1号のオマージュコスチュームを、あの形で登場させたことで本郷と一文字が
ごちゃまぜになってしまった。

もう一度見たいとも思わせるストーリーと役者の演技から、全体として合格点ではある
のだが、せっかくいい作品になる可能性が高かっただけに”策士、策に溺れる”感が否め
ないだけに否めないだけに惜しいな。

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