私は、このBLOGにおいて個人非難は基本的に避けており、そのポリシーを曲げてまで登場する槍玉はそれ相当な理由がある。
田原総一郎に続く2人目は森田実である。
私は、「めざましテレビ」に「ご意見番」として紹介されるこのオヤジの評論が大嫌いである。
今回、郵政解散に対して、小泉首相を酷評した挙句、亀井静香こそ首相の器に値するというニュアンスの発言までしやがった。この発言を聞いた時、裏でカネももらってんのか?と思ったくらいである。
現職の日本国総理大臣を酷評するくらいならあんたが総理大臣になってみろ!と言いたい。
政治評論家と肩書きを持つ人には様々なタイプがいる。みなさん、それぞれの主義主張があるから聞いている方からしても好き嫌いがあるのは当たり前だが、私はこの森田実という人の解説はいつも腑に落ちない。
私が学生の頃、「やじうま新聞」に出ていた三宅久之氏を見たとき、「このハゲはずいぶん辛口なオヤジだ」と思ったけれど、決して言い過ぎになるということはなかったし、それから20年近く経った現在、限りなくレギュラーに近いゲストとして登場する「TVタックル」においても、辛口は相変わらずだが、批評はあっても正論を述べていると私は感じるので、私は最近は好きになってきた(たまに若手議員と熱く口論になったり、ハマコーさんとのバランスが、番組的に面白いせいかもしれないが)。
こういう人と比べると森田実の解説は中身を感じない。
仮にも民主主義国家であるこの日本で、解散後の新聞社の調査でも支持率50%はある一国の総理大臣である。ということは彼の発言は、大雑把ではあるが、少なくとも選挙権を持っている人の半分をテレビというメディアで酷評したことになる。
小泉首相が独裁者と言う人がたくさんいるが、私から見れば独裁者でもなんでもなく、選挙の時の公約を粛々と実行しようとしているだけのことである。
郵政法案の検討は相当な時間をかけて議論されて衆議院で可決した。反対する人の言い分はわからなくはない。しかし、その問題を論理的かつ現実的に解決できる案を提示した人は1人もいない。そのような人がいたら、民主主義国家である以上、ちゃんと法案に修正が入るはずである。しかし、文句を言うばかりで解決策は一切出さないではないか。こんなことなら子供でもできる。
民主党が政権をとれないと思う理由も、そこにある。岡田幹事長がテレビの生出演によるインタビューで「無駄使いをしない政治を実現できる」というセリフが何回も出てきたが具体論は一切無かった。オヤジさんは一代でイオングループを築きあげたが、御曹司は、人に頭を下げて物を築いてきた人とは違って、泥にまみれるようなことは基本的にしない。
かつて田中角栄が選挙演説で手を前に差し出しながら、大声でこのような演説をした。
「ダメだというな! ダメというなら他の案を出しなさい!」
正にその通り。これからの日本の財源確保に関して、公務員の削減というのは避けて通れない話であり、郵政における不透明なカネの流れを郵政公社になったことで改善されたとはいえ、基本的に民でできることは民で行えばよく、民営化したからといって、地方がいきなり困るということはなく、利益優先で維持できないところだけを国で運営すればいいだけのことである。どの地域が民間で運営できないかはやってみなければわからない。しかし、どう考えても相対的にみれば、必要不可欠な政策であり、これらはめぐりめぐって一番の国民の関心事である年金問題を解決する財源になりうるかもしれない。
どんな政治家も国民の支持を受けて国会という場に登場してくるのであり、派閥政治を基本的に否定している小泉純一郎という人は、組織票の匂いを感じさせない人なので、それだけ国民の評価は分かりやすい人である。
総理大臣がどういうプロセスを経て任命されるのかというのは義務教育を受けてきた人なら誰でもわかるはずだ。全ては選挙による国民の一票がもとになって、そこで選ばれた人間によって最終的に選ばれるのであるから、民主主義国家では総理大臣は国民の総意の鏡である。だからこそ、法案が参議院で否決されたことに対して衆議院が解散というのは力任せのような気もするが、参議院評決以前の段階で衆議院も選挙公約に違反している部分があったのだから、国民に真意を問う意味では止むを得ないと考える。
反対している人の理由の多くは、なんだかんだと言っても結局、郵政族の票集めと郵便局員の利害関係が一致しているだけの程で、日本国全体として考えれば、やはり郵政民営化は避けて通れないだろう。
少し脱線してしまったが、とにかく、和服を着て、いかにも政治評論の重鎮みたいな写真で紹介される彼の評論は全く当てになりません。以上。
私も以前から思っていたが、森田実なる政治評論家はまったく かたよったものの見かたをする人で評論家に値しないと思う。